入金消込に潜むリスク ~アナログ作業の意外な落とし穴!?

入金消込

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請求した取引先のリストと入金した取引先のリストを突き合わせる「消込」業務は、業務効率化に敏感な経営者でも手がつけてられていない業務のひとつです。直接的には売上に結びつかないため、つい後回しにしがちですが、手作業で行われている消込には大きな非効率とリスクがあるのです。

このコラムでは、入金消込に潜むリスクとアナログ作業の落とし穴についてご紹介します。

入金消込の基礎知識


経理業務において最も重要な業務が入金消込です。取引先に請求する金額と実際に入金された額を照合し処理する作業で、一つ一つ正確に処理しなければならないことから手間のかかる作業です。近年は、多くの業務がシステム化されている一方でアナログでの処理が多い入金消込ですが、取引の数に応じて手間がかかり人的ミスも発生しがちです。また、入金額が請求した額と違う場合は取引先への確認作業も追加されます。ここでは、入金消込の基礎知識についてご紹介します。

入金消込とは

消込とは、取引企業に請求している売掛金などの債権を、実際に支払われた入金額と確認しながら、データを照合する作業です。請求金額と入金された金額に差異なく予定通りに回収できているか、また遅延が発生していないか等を把握するため、経理部門にとって大事な作業です。

取引先が多い会社であると膨大な請求をしており、それに伴い消込作業も大量に発生します。もちろん請求書の通りに入金されない可能性もあるので、入金ごとに細かく確認する必要があり、経理担当者は非常に煩雑な確認作業に追われます。

入金消込を行うための勘定科目

勘定科目とは、取引した内容を分かりやすく分類する際に活用する簿記の科目です。勘定科目を必要とする理由は、期末ごとに財務諸表の項目別で集計額を出すためです。項目別で集計額を出すには、取引内容を都度仕訳する必要があります。

仕訳は、借方と貸方に適切な勘定科目と金額を割り振って取引内容を記録するもので、金銭の流れを明確に表すことが可能です。消込作業に必要な売掛金や買掛金など、日々の取引を記録した帳簿を活用して作業を行います。取引内容に応じて資産・負債・純資産・収益・費用と分かれます。

・資産
企業が所有する財産や経済的資源のことです。代表的なものとしては、売掛金や預金、土地などが挙げられます。特に売掛金は事業活動において頻繁に活用される科目です。決算書のうち貸借対照表に分類されます。

・負債
企業が支配する経済的資源の放棄又は返済義務があるものです。代表的なのは、買掛金や短期・長期借入金、支払手形などが挙げられます。負債に関しても資産同様、貸借対照表に分類されます。

・純資産
資産から負債を差し引いた額のことです。代表的なものとしては、資本余剰金・利益余剰金、新株予約権などが挙げられます。純資産の大部分を占めるのが、株主から出資を受けた額や事業活動の利益から会社が保有する自社株式を控除した株主資本です。純資産も貸借対照表の科目として分類されます。

・収益
取引で受け取ったあるいは受け取りが確定している金額のことです。代表的なものとしては、売上や受取配当金、雑収入などが挙げられます。収益の大半を占めるのが売上で、決算書のうち損益計算書に分類されます。損益計算書では、売上高と呼ばれる勘定科目で表示され、本業で得た収入を「売上高」、本業以外で得た収益を「営業外収益」、通常の営業活動では発生しない収益を「特別利益」に割り振ることがあります。

・費用
取引の際に支払った金額のことです。代表的なものとしては、仕入高や給料、仕入利息などが挙げられます。収益と同様、決算書では損益計算書に分類され、売上原価や営業外費用、販売費及び一般管理費などに分けられます。販売費及び一般管理費でまとめられている場合、費用の種類ごとに勘定科目を設けるのが一般的です。

消込業務、現場の実態


実際に「消込」とは請求管理の現場でどのように行われているのでしょうか。
まず現場担当者は、通帳やネットバンクから振込入金明細をダウンロードして取引先からの入金を確認します。その後、消込を行うため現場担当者は、入金情報が記載された通帳を片手に請求先が記載されたエクセルファイルを開きます。そして入金データと、PC画面に映し出された請求先リストの中からマッチングするものを目視で見つけて照合し、消込処理を行わなければなりません。このように負担が大きい業務なため様々な問題に直面します。ここでは、消込業務を行う現場の実態についてご紹介します。

請求名義と振り込み名義が違う

消込作業は、経理担当者が目視で確認することが多いので、請求書の名義と振り込み名義の違いにより、消込する請求の対象が分からなくなることがあります。特に振り込み名義は、カタカナ表記されるので照合に手間がかかります。また似たような社名が複数あったり、同姓同名の請求先があると、間違った消込を行ってしまう可能性があるので注意しましょう。

複数の請求書を合算して支払われる

1つの取引先企業であっても、複数のサービスを提供している場合や部署毎にサービス提供している場合など、複数の請求書を送付することがあります。それに伴い支払う側の企業は、複数の請求額を合算し一括で支払う場合があり、その際、消込対象の請求書がどれか分からなくなる場合があります。

請求金額と入金金額が違う

入金されているが請求金額と一致しない場合や、意図的に振り込み手数料を差し引いた金額が入金されることもあります。差額が発覚した場合、許容するのか、不足分の催促するのか、次月にて繰り越し請求するのか、消込時の対応を決めておかなければなりません。

未入金が発生した場合の次月の繰り越し請求を管理

未入金がある場合、消込を行わず次月に合算して請求することを繰越請求と呼びます。繰越請求を行う場合、前月までの未入金額(繰越残高)がいくらで、当月の請求金額がいくらなのか、経理にとって複雑な請求金額の管理と消込作業が必要になります。

入金消込に潜むリスク


実際の経理を行う現場では、様々な問題が生じています。例えば、請求額と入金額が合わないことや複数の請求書を合算し、入金されている場合などが挙げられます。こういった問題が生じる大半は従来のアナログ管理が原因です。現代の経理業務においてアナログでの消込には限界があります。ここでは、入金消込に潜むリスクについてご紹介します。

アナログな消込が抱える非効率とリスク

消込作業が月に十数件程度ならまだ手作業で何とかなるものでしょう。しかし、たいていの企業が月に数十件ないし数百件も請求を行っています。そのため、ミスは避けられないものとして考えた方がいいでしょう。手作業の場合、途中工程で逐一確認が必要になり効率的ではありません。また、未払い金を発見するたびに該当取引先をリストアップして問い合わせなければならないため、手間がかかります。
消込にミスが生じるということは、売掛金の回収が不能になるというリスクを孕んでいるだけでなく、二重請求や請求漏れなどの誤請求も起こりえます。売掛金の管理に不行き届きがあると、自社の信用を損ないかねません。リスクを回避するためには、消込の自動化サービスを利用しましょう。自動化サービスは、バックオフィス系のクラウドサービス・ソフト業者や決済代行会社がサービスを提供しています。

入金消込業務における注意点

入金消込は、請求額と入金額を照合するだけの一見簡単な作業だと思われていますが、実際の現場では多くの問題が発生しています。よくある問題としては以下の通りです。

・経理業務の負担が大きい
企業の経営に直接影響するため、経理担当者は正確に処理しなければなりません。特に月末は繁忙期で、消込業務の他にも事務業務を兼務しているため担当者の負担が多くかかります。そのため、経理担当者は残業を余儀なくされることが多く入金されていない場合は、取引先へ確認の連絡業務もしなければなりません。

・業務が属人化しやすい
正確な処理が求められることから、対応力や経験豊富な人材が担当することが多く業務が属人化しやすい傾向があります。業務が属人化してしまうと、分担して業務を実行できない、担当者の引き継ぎができないなどの事態に陥ります。結果、業務が滞りミスや見落としが発生してキャッシュフロー自体が滞るリスクがあるので注意しましょう。

・未入金のリスクがある
消込作業が正確に処理できないと、二重請求や請求漏れが生じる可能性があります。二重請求の場合は、取引先の信用に関わり取引の中止を下される可能性も少なくありません。請求漏れで未払いを放置し続けてしまうと、資金不足に陥る事態になりかねません。しかしながら、未だにアナログでの作業を実施している場合、上記の問題を解決するのは難しいでしょう。

入金消込をシステム化するメリット

まず、逐一口座の確認や通帳記帳をしなくても、リアルタイムに入金確認ができ属人的なミスが起こりません。また、取引先・注文毎に専用の口座番号を発行するバーチャル口座決済を活用することで精度の高い消込ができます。さらに、クレジットカード決済や口座振込と同様に一元管理ができるので、管理が容易になります。そのため、大幅に消込作業が効率化でき、経理担当者の負担やリスクを軽減することが可能です。

消込システムはさまざまありますが、中には毎日自動で消込が出来る機能を備えているものもあります。結果のみを確認するだけで完了し、ほとんど作業をする必要がありません。消込後の仕訳データを各種会計ソフトで連携出来る機能を備えているものもあり、逐一データを打ち込む必要はなく各種会計ソフトに合わせたフォーマットのデータをエクスポートし、簡単にインポートできます。

消込作業こそシステム化! 消込を自動化するサービスの紹介!


従来は、エクセルなどの表計算ソフトを活用して一つ一つ請求金額と入金額を照合しながら作業を行っていました。しかし、インターネットが普及した現代において経理業務を未だに手作業で行っているのは非効率です。また、手作業で行うのは非常に手間がかかるほか人的ミスも生じる可能性があります。

万が一、人的ミスが発生した場合は取引先とトラブルに発展し取引を中止させられることも少なくありません。こうした課題を未然に防ぐためにも、経理業務のシステム化が注目されています。近年は数多くの提供事業者がサービスを生み出しており、それぞれ特徴や搭載されている機能も異なります。その中でも代表的なのが、以下で紹介する3つのサービスです。

これ以上アナログな消込で社員のリソースを無駄遣いしたくないなら請求管理ロボにおまかせ!

請求管理ロボ
事業活動では必ず取引が発生します。請求額と入金額を照合し消し込む入金消込は、経理処理でもっとも煩雑化しやすいと言われています。取引件数が少ない場合は、手作業でも問題ありませんが大量の請求がある規模の大きい事業者にとっては大きな負担となるでしょう。特に手作業の場合は、人的ミスが発生しやすく非効率です。こうした課題を解決するには、システムの導入が必要です。しかし、システム提供事業者の数は年々増えておりシステム選びも苦労するでしょう。システム選びに苦労されている方は、ROBOT PAYMENTが提供する請求管理ロボをおすすめします。

請求管理ロボは、毎月の請求業務を約80%削減するクラウドサービスです。継続的な請求に強い機能が搭載されており、煩雑化しやすい請求業務から解放されます。請求書の発行・送付は、取引先と請求内容を請求管理ロボに登録すれば毎月自動で実施します。入金消込についても自動化されるため未収対策も万全です。また、適格債権と判断されかつ与信通過した債権に限り、売掛金を100%保証してくれます。

まとめ


請求額と入金額を照合し消し込む作業は、経理の中でも手間がかかる業務です。毎月数件程度であれば、さほど負担にはなりませんが数百件の取引を行っている場合、手作業の照合は工数がかかるほか人的ミスも少なくありません。そのため、経理業務にシステムを導入して効率化させる事業者が増えています。ROBOT PAYMENTが提供する請求管理ロボは、毎月の請求業務を自動化させることで効率化を図るクラウドサービスです。従来、手間のかかっていた請求書の発行・送付・消込といったものから解放され、迅速な入金催促による回収率向上も見込めます。入金消込にお困りの際はぜひ、導入をご検討ください。

監修
【監修】藤田 豪人 株式会社ROBOT PAYMENT 執行役員

2019年当社に入社、執行役員に就任。
当社に入社以前は株式会社カオナビにてコーポレート本部長、複数の情報IT企業にてCMOなどを歴任。
現在は、当社のフィナンシャルクラウド事業及びマーケティング全般を統括。
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